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スコットランド独立問題で俄かに英国が注目されています。イングランドとスコットランドが連合した王国となって以来、英国は世界に広大な領土を有し世界帝国として君臨して来ました。特に19世紀は黄金期でパックス・ブリタニコと呼ばれる全盛期でした。20世紀に入り米国等が台頭し世界大戦等を通じて国外領土の大半を失い現在では海外領土は遠隔地の島などを残すのみとなり、ほぼ元々の欧州北西部のブリテン島を有するだけとなっています。それでも過去の遺産は大きく世界からは大国と見なされています。産業革命以降、世界の工業の中心となり重厚長大産業を得意とし炭鉱、鉄鋼、造船等を中心に英国の一部としてスコットランドは繁栄して来たのですが産業構造の変化並びに英国政府の方針転換で主な産業が壊滅し、大英帝国の終焉で連合王国に留まる意義を失いかけているのかも知れません。多くの人が没落した大国の一部としてでは無く新生国家、新興国として自分達の力を試したい、新たな挑戦をしてみたいと考えているのでしょう。

外からは相当無謀に見えるのですが、当事者の住民は本気で大真面目に自分たちの将来を考えているのだと思います。以前からブリテン島に住んでいたケルト族を大陸からやって来たゲルマン系のアングロ・サクソン族等が支配をし、ケルト族はアイルランド島、ブリテン島の北部と西部に追いやられそれぞれ国家を作って出来上がったのが現在の英国という事であり、スコットランドも長い間イングランドと戦争を行い征服された歴史を有し、気持ちの底には被征服者という意識があり、イングランドに対して複雑な感情を有しているのだと思います。

かなり以前、2年ほど前からスコットランド独立の是非を問う住民投票はこの9月18日に実施すると設定されていたのだそうです。ただ、これは圧倒的な反対票で長年くすぶっていた一部の過激な独立シンパを封じ込める儀式だとして英国政府は考え世界的も余り注目しておらず、世界的なニュースとはなっていませんでした。独立した場合の困難さや経済的なダメージを考えますと正直余り現実的では無く、多くの良識ある人達は反対票を投じると見られ、軽くダブルスコアーで反対が上回ると考えられていたようで、つい一ケ月前くらいまでは余り大きな問題とは考えられていませんでした。ここに来て地道な草の根運動が功を奏し、急激に独立賛成派が勢いを増し各種世論調査でも拮抗して来ており、中には賛成が上回る可能性も出て来て英国政府も慌て出しています。投票直前となり多くの世論調査が出ていますが、賛成が多いもの、反対が多いもの両方あるようです。対象者がいずれも千人程度ですが調査対象をどのように抽出するのか非常に難しく恣意的に結果を出しているのかも知れません。

英国から離れるリスクは余りにも大きく不確定な要素が大きく債務分担や通貨の問題、資金の引き上げ等、経済的な損失も大きいので、常識的な見地から最終的には反対が上回ると想像しる人が多いように見えます。マスコミも同様でNHKの解説員も「万一賛成が上回れば」という表現を使っており、大方の予想は最終的には態度を保留している人の大多数が反対に回り英国に留まる事を選択するとみています。1995年に行われたカナダからのケベック独立の是非を問う住民投票では独立派勢いを増す中、終盤戦で世論調査では独立賛成が多数であったのですが、最終段階になり揺れ戻しの現象が生じ僅差で結果的には反対が上回りました。今回も特に現実的な女性の皆さん、そして年金に頼る熟年層が冷静になり損得勘定から例え心情的には独立を望んでいたとしても最終的には反対に投票するというケースが多くなるものと想像します。年配者の中には古き良き英国を捨てる事に抵抗を感じる人も多いのでしょう。

ただ、もし独立と決れば英国は新生スコットランドに対して余り強い制裁を加えると自国に大きな反動が起きるので現実的な対応をするしかないでしょう、賛成が上回るとしても僅差でしょうし、英国に留まりたいと願っている人も多いのは事実ですので余り追い込む事は出来ないでしょう。新生国家は多分対岸に位置するノルウェーをモデルに国造りを進めるのではないでしょうか、この国はEUに加盟せずに繁栄している、人口も同じくらいですので関係強化が一気に進むかも知れません。また同じくEU加盟国では無いアイスランドとも関係が深まり、EUに入れない場合には北海を取り囲む三ヶ国で北海諸国と呼ばれるようになり、一定の政治勢力となるかも知れません。欧州統合を最終ゴールとするEUとしては強く排除するのは得策では無く、取り込んで行く必要があると判断すれば加入に対して無理難題を突き付ける事は出来ないと思います。

通貨の問題もどうなるのか分かりません。現在スコットランドでは3つの銀行がスコットランド・ポンドを発行し、イングランド銀行が発行したポンドと混在して利用され、英国政府が価値を保証しスコットランドの外ではイングランド銀行が発行したポンドに交換が可能です。独立となりますとこの通貨を発行している現行はイングランド移転すると表明しており、スコットランドは新たに中央銀行を設立して通貨を発行する等の処置が必要になるでしょう、その時に通貨の価値、特に英国ポンドとの関係が予測出来ず、どのようになるのか全く分かりません。これも反対を主張する人達の理由の一つになっています。投資がイングランドに一斉に引き上げられて経済が不振になるという予測がありますが、新生スコットランドに対してはこれだけの先進国で新しい国家という例は今まで余り無かった事もあり、世界の多くの人が関心を持ち投資も行われる可能性もあると思います、湾岸諸国、インドなどかつて英国の植民地であった国々はスコットランドに連帯意識を持ち投資を行う等サポートに回るかも知れません。独立国となれば世界から注目され観光客が増え、飛行航路も各地から直行便が飛来するようになる事でしょう。

独立派が勝利した場合にはスコットランドよりもむしろ英国へのダメージは計り知れないと思います。自国民にノーを突きつけられた政府に対して今後は外国がまともには相手にしてないと思います、この事で英国の更なる凋落が起きるのではないでしょうか。世界の大国英国が解体となればその影響は世界に及び世界情勢が予測不可能な状況に陥る危険もあるように感じます。この場合には現在のキャメロン首相は大英帝国の終焉、英国崩壊の責任者として永遠に世界史に名を残す事になるでしょう。結果的には英国の盛衰がスコットランドの住人の判断に委ねられた格好になっていると感じます。英国としては何としても独立を阻止しなければならず、女王陛下まで担ぎ出して繋ぎ止めに必死になっています。独立運動を軽く見ていたツケが出たように思います。北アイルランドの対岸はスコットランド領ですのでイングランドとの交通は不便となり効率が悪くなり、残った国内をまとめて行くのも大変でしょう。

世界の世論としては独立反対のようです。英国が不安定になり将来が見えない事も大きいのですが欧州の国々それぞれの国の内部で抱えている独立の動きに拍車がかかることを恐れているように見えます。一番深刻なのはスペインのカタルーニャで人々は長い間独立したいと願っている訳で独立への動きは加速する事は間違いありません。ベルギーは既に実質的には統一国家としての体裁を為しておらずオランダ語地域の独立は既成事実の追認という事になるのでしょうが、もしこのフランデレン地域が独立となりますとこの地域の中に在るブリュッセルをどのように扱うのか問題になります。この都市だけはフランス語話者が8割を超えており、フランデレン地域の首都であっても除外されるでしょう。現在欧州内は国境無しで自由に往来を認めるシェンゲン協定がありますが、フランデレン地域が独立しますとEUに再加入しシェンゲン協定に加盟するまで除外される事になります、そうなりますとEU本部のあるブリュッセルから自由に他の国に行く事が出来なくなるという笑えない事態が出現する可能性があります。そのような独立の動きの中で最も深刻な問題はロシアに近い旧ソビエト連邦のバルト三国と見ています。特にラトビアには国境を接するロシア人が多く住む地域が広がっており、ロシア人が多数を占める地域がロシアへの帰属を住民投票で決議するという事態が想定されます。ラトビアの住人は230万人くらいですが、ソビエト連邦時代から住むロシア人はラトビア国籍を有しておらず、ロシアへの帰属を強く望んでいるようです。ウクライナはNATOの外ですが、ここはEU内部なので独立運動が高まるような事態となればEUとロシアの対立は決定的になる心配があります。

今回の事でスコットランドはかなり大きな利益を得たように感じます。世界にスコットランドは英国の一地方で無くイングランドと共に連合して英国を構成している事を改めて強くアピールする事に成功しました。反対票が上回り独立を為しえないとしても今回の事で国のあらゆる場所にスコットランドの民族意識が高まり、至る所にスコットランドの旗が翻るようになりました。英国政府から自治の拡大に関してかなりの譲歩を得る事に成功しました。今後はスコットランド議会の重みも一層増し国家の中の国家という感じになって行く事でしょう。英国を構成する他のウェールズ、北アイルランドでも同様に自治の拡大が進み、英国は4つの意思を持つ国家からなる文字通りの連合王国となるのでしょう。心配なのはイングランドの国民の不満が高まる事ではないしょうか。他の構成国はそれぞれ独自の議会を持ち、更に同時に英国国民でもありますのでイングランド国民と同じように同じ一人として英国議会にも発言権を持つ事になりますが、イングランド議会というものは存在しないのでイングランド国民だけが自治権を有しない事になります、全体の80パーセントを超える多数派なのだから我慢しなさいという事でしょうが、他の構成国の主張が今後先鋭化し我儘が限界に達し、納得出来ない人が増えて来るのではないでしょうか、この点は多少心配です。イングランド至上主義的な政党が力を増して政治状況が一層複雑になるかも知れません。今後は常に分裂の危機をはらみながらの政治運営となり、内部に不安を抱えては世界に国家としての威厳を今まで通り示すことは難しくなると思います。

日本ではこの国の事を幕末に英語を意味するポルトガル語のイングレーズから転じてイギリスと称していますが、イングランドと似てはいますが異なるのでイギリスを連合王国全体を指し示す言葉として使えるのは良かったと思います、英国という言い方も同様ですね。小さい時から当たり前のように見ていた国旗・ユニオンジャック、以前からこれは構成国の旗を重ね合わせたものである事は知識として知っていましたが良く出来たデザインの旗で忘れていました、万一スコットランドが独立するような事態になるとこの旗から青色が無くなり何ともみすぼらしい旗になってしまいます、やはりスコットランドは英国に留まる方が世界の安定、平和為には良いのかも知れません。ただ今回の有権者は16歳以上と若い層も投票に参加する事になっており、若い層の多くがまとまって賛成に投票する場合にはより拮抗した結果になるでしょう。女性そして高齢者、高所得層、企業経営者等は反対に票を投じる人が多いことでしょう、大きな変革を望まない「臆病のノー」という人も多いでしょう。個人的にはケベックと時と同じような結果、51:49くらいの僅差で反対が上回るとみています。有権者は400万人余り、態度を決めていない人も一割は居ると言います、いずれにしても数万票の差で決まると思います。数日で結果が出ますがスコットランドの人達が最終的にどのような判断を下すのか世界中の人が注目しています。

今後ですが残留の場合にはロンドンでは馬鹿なお祭りは終わったとして何事も無かったように振る舞う事でしょう。基本的には何も変化は無く、近い将来においての独立の可能性が無くなるので安定に向かうはずですが、スコットランドに対して将来にわたってリスクがあることを示してしまいましたのでイングランドの資本等は静かに引き上げて行く事でしょう。街にはスコットランドの旗が大量に残りそのまま掲げられるようになり、一層独自性を誇示する事になるのでしょう。イングランドに対するライバル心は一層大きくなり特に若年層では将来の独立に向けて動き出す人も出て来る事でしょう。国外では自分は英国人だとは言わずにスコットランド人であると言う人が多くなり国内の中の国のようになり、一体化は難しく常に独立問題を抱えながら進む事になるのだと思います。

賛成派が勝利した場合には世界でスコットランドブームが沸き起こり、独立に向けての動きが逐一報道される事でしょう。この場合、英国政府側は悪役ですので余り圧力をかける事は出来ず新政府との交渉はスコットランドペースになると想像します。先進国の新国家は今までに無い出来事であり、大ブリテン島という地理的な魅力もあり世界の新興マネーが流れ込んで来る事でしょう。独立のイベントを目当てに多くの観光客が訪問するようになり、今まではロンドン見物のおまけであったスコットランドは一躍世界で最もホットな観光地に変貌することでしょう。ハリーポッターランドのような観光地も出来、文化、ウィスキーと主に多くの人で賑わいホットな場所となる事でしょう。対照的に英国は没落した国家との烙印を押され、政治は責任問題から混乱しイングランドの人は自信喪失するような事態も想定されます、ウェールズ、北アイルランドも分離の方向に動き英国が解体の方向に向かってしまうと想像します。


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